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いきものたちのうた 中山とし子+唐仁原教久


いきものたちのうた 中山とし子+唐仁原教久

価格:

1,300円

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ともきの家には、山つばきがおおいかぶさっている、トンネル道を通って行きます。
うす暗いトンネル道は、赤いつばきの花がコロコロ落ちていて、
道の先に、丸い出口が見えています。
一人で通る時は、少しだけこわい。
だから、みづえは思わず足をはやめました。
だれもついて来ないのに、後ろが気になって、後ろをチラ、チラと見ながら、
小走りに走りました。
(以上、本文より抜粋)

れんげ草、山つばき、おたまじゃくし、アリの行列、みかんの木…
たくさんの「いきものたち」に囲まれて育った幼少期。
あたりまえのようにあった美しい自然と、それと戯れる子どもたちの風景は、今ではすこし懐かしくもあります。
田んぼや野山で遊びまわった頃の、中山さんの大切な思い出の中からうまれた、
天真らんまんな「みづえ」と、おっとりした「ともき」による、9つの物語を収録しました。
中山さんの瑞々しい情景描写によって、
読む人それぞれの”あの頃”の気持ちがこみ上げてくる、心温まる1冊となりました。

イラストレーションは唐仁原教久。
中山とし子+唐仁原教久のコンビでは、これまで『父の山 母の河』、『はぐれひよどり』を刊行。
『いきものたちのうた』は6年ぶり、待望の3冊目となります。
中山さんの文章に添えられた、唐仁原の奥ゆかしいイラストレーションが物語を引き立てます。

<著者プロフィール>
中山とし子 (なかやまとしこ)
1950年鹿児島県生まれ。
佛教大学国語国文学科卒業。
奈良女子大学 大学院博士前期課程国語学コース修了。
2005年『父の山母の河』出版
2007年『はぐれひよどり』出版
保母、児童英語教室講師、日本語教師などを経て、
現在、老齢期の人々や子供をテーマに執筆活動中。