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はぐれひよどり 中山とし子


はぐれひよどり 中山とし子

価格:

1,300円

SOLD OUT
親が倒れて初めて、親の気持ちに真っ直ぐ向き合うことになりました。(中略)。故郷から離れた土地で暮らしたため、成長してからは時間を共有することが極端に少なかった母娘でした。それが取り返せない時間への後悔とも郷愁ともなって、せめて気持ちだけでも母の近くにいたい切なる想いが、これを書かせました。高度経済成長期に都会に出て行った私たちの世代の多くが、親の介護について似たような境遇にあります。(中略)戦中戦後を生き抜き、懸命に子育てをしてきた多くの親世代に向けて、慈しみと敬意を捧げます。

(以上、本文「あとがき」より抜粋)

「老人介護」という現代の難しい問題をまっすぐ見つめた一冊。郷愁を誘うやわらかい語り口と、唐仁原教久の装画で、難しい内容ながらやさしい佇まいを持ち合わせている。カバーの薄紙に表紙のみどり色が透けて、美しい。注釈一覧に医療用語など分かりやすい説明がある。

中山とし子(なかやまとしこ)
1950年鹿児島県薩摩川内市入来町生まれ。佛教大学国語国文学科卒業。奈良女子大学大学院博士前期課程言語文化学専攻言語情報国語学コース修了。05年8月、『父の山母の河』出版(HBギャラリー)。保母、児童英語講師、日本語教師などを経て、現在、木津川市国際交流協会日本語教室コーディネーターとして地域の外国人日本語教育に携わる。