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賢治ずゐぶん 矢吹申彦


賢治ずゐぶん 矢吹申彦

価格:

1,000円

SOLD OUT
関登久也氏の『賢治随聞』を面白がったのはよほど昔のことだが、ちょうど十年前に当時健在だった『ガロ』が宮沢賢治の世界という特集を組んだ折りに、声をかけられてその面白さを四コマ八本の五頁に仕立ててみた。面白がったのは、好きな宮沢賢治も“ずゐぶん”じゃないかと云うあたりで随聞にずゐぶんを当てた。とは云っても、八本では数ある面白逸話をこなすにはとうてい不充分、で、いずれ続きを描こうと思っていた(どれが昔の八本か当ててみて下さい)。『賢治随聞』は昭和十八年刊の関登久也著『宮沢賢治素描』正続を、昭和四十四年森荘己池氏(この人にも『宮沢賢治の肖像』という名著がある)が編したもので、賢治と直かに接していた人の稀有の書として、私には誠に面白い。それを四コマで遊ぶのはずゐぶんじゃないかと云われるかもしれないが、面白いのだから仕方ない。

(以上、本文「あとがき」より抜粋)

矢吹申彦(やぶきのぶひこ)
1944年東京生まれ。67年桑沢デザイン研究所抹籍後、フリーのグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして活動、今日に至る。79年『矢吹申彦風景図鑑』を刊行。99年、クリエイション・ギャラリーG8とガーディアン・ガーデンのタイムトンネル・シリーズ『矢吹申彦東西南北』展を開催。05年10月、19回目の個展『猫づくし』を開催。著書に絵本『ぼくの絵日記』、『東京面白倶楽部』、『文人志願』、『愉快な情景』、『颱風の眼の中にいる海坊主』、『猫づくし』などがある。