シェイクスピアのことに精通しているわけではないけれど子どもの頃からシェイクスピアの名前は知っていた。たぶん「ヴェニスの商人」の絵物語を読んだせいだと思う。映画化された「ヘンリイ五世」を観たのは中学生の時だった。高校時代にはシェイクスピアの戯曲をネタにした漫画を描いたこともある。（中略）シェイクスピア関係の絵を結構描いている。シェイクスピアをパロディに利用して落語を書いたりもした。この冊子に収めたのは、かなり若い頃に描いたものも含むぼくの蔵出しシェイクスピアです。（後略）
（以上、本文冒頭より抜粋）
1954年、高校3年時に描かれたシェイクスピアの戯曲をネタにした漫画から、03年の「マクベス」私の劇場展出品作まで、シェイクスピアをあらゆる角度から様々な手法で描かれた一冊。特に学生時代の作品は、通常見ることのない、大変貴重な作品。
和田 誠（わだまこと）
1936年生まれ。59年多摩美術大学卒業。イラストレーター、グラフィックデザイナー。「週刊文春」の表紙、本の装丁、ポスター、似顔絵などの仕事のほかに、絵本、エッセイ集など著書多数。69年、文春漫画賞（「週刊サンケイ」表紙絵ほか）。74年、講談社出版文化賞ブックデザイン部門（「ＰＥＯＰＬＥ」）。81年、同さしえ部門（「あゝ文士劇」）。82年、角川書店日本ノンフィクション賞（「ビギン・ザ・ビギン」）。93年、講談社エッセイ賞（「銀座界隈ドキドキの日々」）。94年、菊地寛賞。97年、毎日デザイン賞（「時間旅行」展）。
