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PAPER FOSSIL 佐藤卓


野菜のカタチを3Dスキャンにより立体に数値化する。その数値に基づいて薄い紙を1枚1枚カットしながら切り離さずに長方形のまま積層していくと、その後、積層された紙は厚みのある立方体の塊になる。(中略)外側から少しずつ余分な紙を取り除いていくと、中から紙の野菜が現れる。(中略)
模型を制作するためにこのような紙の積層方法で作るマシンがあることを知った。(中略)長い間に自然が作り上げてきたカタチを丁寧にスキャンして、この「データで管理されている世界」に放り込みたかったのである。(後略)

(以上、本文「紙の化石」より抜粋)

にんにく、パプリカ、アスパラ、ナス、とうもろこし、オクラ、きゅうり、きのこ、ピーマン、カボチャのカタチをした「紙の化石」。繊細で美しく、やわらかな陰影を持つ仕上がりである。

佐藤 卓(さとうたく)
1955年東京生まれ。79年東京藝術大学デザイン科卒業。81年同大学院修了、(株)電通を経て、84年佐藤卓デザイン事務所を設立。主な仕事としてグラフィックデザインを中心に、「ニッカ・ピュアモルト」「ロッテ・クールミントガム」「ロッテ・キシリトールガム」「RMKスキンケアシリーズ」「明治おいしい牛乳」等の商品デザインを手掛けるほか、「TOYOTA・VISTA」「BS朝日」等のVIデザイン、NHK子供番組「にほんごであそぼ」のアートディレクション、大量生産品をデザインの視点で解剖する「デザインの解剖」プロジェクトなどがある。受賞歴多数。