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瀑 玄亀素描


天然の気吹と、地緑のマレビトたちとの出会いに励まされた「素描と絵画習作」です。1960年中頃、異郷の地でキャンドルの炎を凝視する「心境と残像」の描写を試みましたが、1980年頃から画面上に「宇宙を巡る水」が染みでてきました。思いがけなく浄化現象を観想、シンキな気配を愉しめるので絵画化や映像化を試みています。日の出ずる処の清々しい風土を懐しみ、秘すれば花を感じ入る創意を尊び、爽やかな息吹に感応した「鎮火水魂」のANIMARTな表現です。渦宙を巡る水で墨を磨り、アニメイトな瀧波を浴び、森羅万象のエネルギーを間脳に満たし、覚醒と瞑想の境界が「素核融結游合」するとき、無境の愛を実感する動態視力と、中今の平和に挑む墨筆が白宙を巡るのです。

(以上、本文冒頭より抜粋)

すべて墨筆で水が描かれている。のびのびとした力強い線は、美しい流れを生み、墨筆特有のかすれや濃淡が、独特の時空間を成している。

亀井武彦(かめいたけひこ)
1940年戸越銀座生まれ。画家、映像作家、墨描家。61年サントリー宣伝部嘱託となる。サン・アドの創立に参加。70年柳原良平、開高健、 山口瞳、香月泰男、田村隆一、池田満寿夫、桐竹勘十郎、渡辺貞夫、 黒澤明、F・コッポラ、A・ウォーホル、諸氏が出演したTVCMを企画、監督。国内外の画家の絵を起用した企業広告を仲畑貴志氏と企画、監督。80年「ANIMART」と命名した創作活動を始める。99年1月フランス・エルメス社の委嘱により、宇宙を巡る水を描いた墨描の屏風絵と那智御瀧を撮影したCG映像を融合する、「浄化」展を開催。4月NTT社の委嘱により、日本文化を海外に紹介する映像作品「宮田まゆみ・笙」を監督。